痛み悲しみ怒りが飛び交う世だなあと、慈悲で小さく謙虚に笑むのみ。
その笑みをもって、そのようにそうならないよう自分から進んで歩むのみ。
じつに人とは、生きる目的を忘れ、身勝手で己の感情に溺れてしまい、自他共に痛み悲しみ怒りを生み出し、ぶつけあう。
勝ち負けにこだわり、上か下かにこだわる。
強がり、否定し、恨む。
自分の良い悪いを否定するために強がり、しかし自分を守るために他者を恨む。
その感情だけで物事を見てしまえば、真は見えない。
だが真に大切なこと、真の問題を見つめれば、それは勝ち負けや上か下かではないとわかる。
それをもってすれば、小さく謙虚に笑むのみとなる。
大いなる完璧な舞台である自然界はみなそのようにして生きており、弱肉強食ではない。
もし弱肉強食であれば、際限なく欲の限りを尽くし、無理を押し続け、命の感謝を後においてしまうだろう。
それでは自然界は成り立たない。
自他ともに共生してこそ成り立つため、自分もまた自然の一部として生きる。
それはこだわりのなく、はかなくいじらしく生きている。
人はそこに気づけて、慈悲と謙虚さと笑みに気づける存在。
それを忘れてはいけない。