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人が見て見ぬ振りして忘れようと逃げる問題は、深層心理の、難しいものなどではない。

人が見て見ぬ振りして忘れようと逃げる問題は、深層心理の、難しいものなどではない。 それはきわめて表面的で簡単な顔の汚れのようなもの。 問題から逃げるのは、鏡から逃げること。 泥んこの顔で笑って恥じずに遊べば、それを洗い落とすことも楽しむ。 隠して恥レバ、洗い場へ行くことすら人目を気にして、たどり着けない。




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自我を守ろうとするとき、人はいちばん大切なことを悪とみなす。

自我を守ろうとするとき、人はいちばん大切なことを悪とみなす。 そして、そうするためには視野を狭めて、理解を浅くして、それを正義とするために、聞く耳を持たない屁理屈と力を誇示する。 それを指摘するものに力を誇示して、比較で自分を上にして、相手の弱さにつけこみ、真の正義を悪とさせる。



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自分だけが正しいと思いたいとき、人は自分以外が何か悪いものを隠して偽っているとしか見えない。

自分だけが正しいと思いたいとき、人は自分以外が何か悪いものを隠して偽っているとしか見えない。 そうして比較することで、自分だけが正しいと、自分自身を騙す。 これが自我。 真実は逆で、良いものが隠れていて、それは自他に共通している。 これを見通すように努めなければ、自分の言葉は周囲の目をくらませてゆく。 真実とはそうした個々の癖のことではなく、個々に内在している。 それを精一杯、生きることが、個性となる。