ちぎれんばかりに激しくなびく旗に、自分を見る。
風の緩急で激しくもゆるやかにもなる。
やわらかい旗の布が、板のように張り、人を跳ね飛ばしもする。
それでいて風だけには素直、風向きに従って向きを変えて、風の渦巻きに従って自在に形も変える。
なのに旗に描かれたものはけして崩れない。
しかしそれは借り物の文句や、押し付けられたものかもしれない。
激しく見えて、まるで自分という実態がない。
だがそれはそこに存在している。
存在を与えられている。
まるで命のように。
その姿に自分を見て、なにも例えようがない、感謝が湧くのみ。